19-3. SEC-H 光電気化学セルキット
光電気化学セルの種類
下記にITO光電気化学セルとグリッド型白金電極の構造と違いを示します。光が透過する部分がITO電極ならびに
白金のグリッド電極となります。電極部分には光を透過させるため、光ファイバー型分光器を用い、光源からの光を
光ファイバーを経由し、電極部分に目的波長の光を透過させます。透過した光は電極表面で反応した物質に吸収などの
光反応が起り、その光の減衰を受光素子で検出します。
光電気化学セルのセットアップ
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石英基板にITO 作用電極とカウンター電極- 参照電極を蒸着した電極を示します。 |
電極の構成として電極固定用ホルダー、 カウンター電極- 参照電極、ITO 電極、 ガスケットを示します。 |
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ホルダーにITO 電極を載せた状態 | 光電気化学用電極をホルダーに入れて固定した状態 |
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光学セルホルダーに電極を装着して測定が行える状態 |
OOI社の光ファイバー分光装置とポテンショスタットを使用しての計測
OOI(オーシャンオプティクス)社の装置の概略について説明致します。
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サンプルを装着したセルホルダーの
両端には光ファイバーを光源側と
スペクトロメータ側に接続します。
そして、光電気化学セルの端子をポ
テンショスタットに接続し、作用電
極に電位を印加し、電気化学反応を
起させながら、反応物質のスペクト
ルを検出します。
石英ガラス基板上に作用電極とカウンター/参照電極を別々に作製しました。ITOは透明電極で光を透過させます。
カウンター、参照電極は白金電極で作製しました。
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2枚の電極板の間にガスケットを挟み込み、光電気化学計測電極を作製しました。そして、黒の電極ホルダーに収納
し、ネジで固定します。これを上記図のセルホルダーにセットして測定を行います。使用する溶媒に応じてガスケッ
トの選択を行ないます。例えば、シリコンガスケットを用いる場合、有機溶媒系での計測に使用します*。また、水
系での計測はフッ素系のガスケットを使用します。
フローセルの作製法

フローセルは、セルへの試料溶液のインジェクション、 測定後の溶液の置換、洗浄などをより簡便に行うことができ ます。送液には2本のキャピラリー(I.D.:75μm,O.D:150 μm)を用い、シリンジポンプで送液を行います。 作製方法についてはマニュアルを用意しておりますので、 お問い合わせ下さい。
有機溶媒の使用条件の詳細についてはマニュアルをご参照下さい


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バックグラウンド | 酸化反応時のスペクトル変化 |
ITO薄層セルを用い、CV測定と同時にその際の吸光度の変化を調べました。 ITO電極とカバーガ ラスの間には25μmのガスケットを用います。サンプルにより電気化学特性並びにスペクトル特性を持つ場合、同時に測定することにより、反応メカニズムが詳細に理解できます。