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1.4 矩形波テクニック(OSWV)

矩形波テクニックはパルステクニックと交流ボルタンメトリーテクニック両方に関係の深い方法です。それらはDPV/P に類似して、ピーク形状の電流応答曲線を与え、バックグラウンド容量性電流を効果的に除去します。主要な利点は高感度と迅速性です。

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図16.OSVW のポテンシャル波形

この波形を図16 に示します。OSWV のポテンシャル波形は階段波形に矩形波を重畳したものになります。 それは方向が交互に変わる一連のパルス(それ故、パルスと交流テクニック両方に関係している)と見なすことができます。電流は各パルスの終了点(或いは半サイクル毎に)でサンプリングされます。
デフォルト電流出力は差電流として与えられますが(図17)、フォワード電流(if)とリバース電流(ir)も同じく個別に求められます(図18)。
可逆系の場合、リバース電流も大きくなるので、差電流はフォワード電流或いはリバース電流のどちらよりも大きくなります。これがDPV と較べてOSWV が高感度である1つの理由です。リバース電流の大きさは電子移動の可逆性を調べるのに使われます。

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図17.OSWV の差電流応答

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図18.OSWV のフォワード電流とリバース電流応答

OSWV の他の利点はDPV/P に比較してそのスピードにあります。5,000V/s までのスキャン速度が利用できますが、典型的には100mV/s 〜数V/s のスキャン速度が使われます。(OSWV のスキャン速度は矩形波周波数に依存する)。これは DPV(10 〜 20mV/s)のスキャン速度より格段に速くなります。 更に、DPV と較べて感度は不可逆過程でさえスキャン速度の増加と伴に向上します。OSWV の高感度と高スピードは溶液中の電気化学活性種の定量分析法としての汎用性を増しました。 検出下限はストリッピング法を使うことにより更に下げられます。

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