資料室

これから電気化学を始める方のための基礎

ビー・エー・エス(株)顧問である、元東京大学工学部 助教授 渡辺先生による、これから電気化学を始めるような方に向けた基礎的な内容の資料です。

  • 作用電極
  • 参照電極
  • カウンター電極
  • 電気化学の基礎と応用

これから電気化学を始める方のための作用電極の基礎

電気化学測定に使用する作用電極の種類とその用途、選択方法についての基礎的な内容です。
種類別に資料が分かれていますので、ご活用下さい。
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これから電気化学を始める方のための参照電極の基礎

電気化学測定に使用する参照電極の種類とその用途、選択方法についての基礎的な内容です。
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これから電気化学を始める方のための作用電極の基礎

電気化学測定に使用するカウンター電極(対極)の種類とその用途、選択方法についての基礎的な内容です。

カウンター電極(対極)について

対極は作用電極として用いられるものなら何でも使うことができる。金、白金や炭素電極が通常、使われている。従って、材質について特に述べることはない。ただ、対極として使う上で注意すべき事項についてふれる。

対極は英語では counter electrode や auxiliary electrode と呼ばれる。前者については異論ないが後者については多少、付言しよう。予備の、補助の、付属の、などの意味があり、何か、付け足しのといった印象を受ける言葉である。勿論、そんなことはない。電気化学実験を行う上で必要不可欠なものである。電流を流したり、電位を測定するためには 2 つの電極がどうしても必要なわけで、作用電極があって、対極がある。作用電極(working electrode)は目的の反応を行わせる電極であり(ポテンショメトリーでは電位を測るのが目的なので、指示電極、indicator electrode と呼ばれることがある)、その対になるのが対極である。2 電極方式の実験では、どちらがどうとかは区別し難いかもしれない。しかし、ポテンショスタットを用いる、3電極方式では明確に区別される。ポテンショスタットを使い、対極と参照電極を同一端子に繋ぐ、見かけ上 2 電極方式でも区別は明らかにつける。それ故、ポテンショスタットと関連づけて理解することが望ましい。

作用電極に流れる電流は必ず、対極にも流れる。作用電極で還元(酸化)反応が起これば、対極ではそれに見合った酸化(還元)反応が起こる。バイパス流路はなく対極と作用電極間にのみ電流は流れる。従って、電流量は同じであることを忘れないように。対極での電極反応の過電圧が大きくなるような場合を想定すると、対極での電流密度を小さくすることが得策である。つまり、作用電極に比して対極の電極面積を大きくすることが理にかなっている。これを逆にすると対極の過電圧が大きくなってポテンショスタットの許容出力電圧を上回ることになる。特に、電解電流が大きくなるような場合は注意する。

作用電極の電位はポテンショスタットにより、参照電極電位に対して明確に規制されるが、対極の電位はどのようになっているかは分からない。普通はあまり気にしない。一頃、LCEC の検出器に対極の電位をモニターできるものがあった。ということは、対極電位がどうなっているかを知りたくなる人があることなのだろう(たとえは悪いが野次馬のように)。対極の電位は作用電極の電流値に追随して変動する。対極において、支える電極反応が不十分なら、過電圧も大きくならなければならない。そのことを考慮して対極表面積をできるだけ大きくして電流密度を下げるというわけです。

対極での電解反応生成物が目的の電解反応に影響を及ぼす恐れがある時は、対極を作用電極と分離した隔室に設置することが望ましい。特にバルク電解においては、作用電極生成物が対極で逆電解されることを避けるためイオン交換膜やセラミックフィルタで隔てた別室に設置しなければならない。

インピーダンス測定の場合には 3 極式では参照電極と作用電極の間の特性のみを測れるが、2極式では作用電極反応だけでなく対極の特性も入ってくることに注意する必要がある。


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