電気化学 測定装置

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#回転電極 #回転電極装置 #リングディスク電極 

電気化学 測定用 RRDE-3A 回転リングディスク電極装置 Ver.3.0



RRDE-3A 回転リングディスク電極装置
回転電極法では、回転ディスク電極(RDE)や回転リングディスク電極(RRDE)を用いることで、電極表面での電荷移動反応の活性を定量的に解析できます。特に近年では、触媒の酸素還元反応(ORR)、酸素発生反応(OER)、水素酸化反応(HOR)の触媒活性や反応速度論を詳細に解析する為に用いられています。
RRDE-3Aは、研究室での使用を目的とした、軽量&コンパクトな電子制御の回転電極装置です。装置には強酸・強アルカリ溶液用電気化学セルが付属しており、RE-61AP アルカリ用参照電極と組み合わせる事でアルカリ水電解用触媒の評価に使用いただけます。
また、酸素還元反応の研究では、溶存酸素を適切に管理しながら電極触媒の性能を解析します。この溶存酸素量を、RRDE-3AとFireSting O2-C 酸素モニターを組み合わせる事によりリアルタイムでモニタリングする事も可能です。測定の様子に関しては、こちらのページをご覧ください。

装置にセットする回転電極は、目的に応じてディスク電極・リングディスク電極を選択できます。各回転電極は外径φ12×25 mmという、極めて小さなサイズを実現しました。
また、回転電極のオプションとして、ディスク交換式電極(DRE)を新たに開発いたしました。 RDEやPtリングのアッセンブリーに、好みのディスク素材を繰り返し着脱して測定することが可能になりました。触媒を担持するディスク電極のみを取り出す事が出来るため、表面解析(XPSやSEM、XAFS)により触媒表面の化学組成や形態変化を調べる事も可能です。RHEなどの参照電極およびカウンター電極も各種選択できますので、実験の幅も広がります。

RRDE-3A本体で直接マニュアル制御できるのはもちろんのこと、ALSの各種電気化学 測定装置などのポテンショスタットと接続することにより、パソコン上からリモート制御してのデータ取得が可能です。測定データは制御用ソフトで解析が行え、反応電子数や拡散係数などの算出が行えます。
また、総回転時間に応じてLCD上に「清掃」「交換」のアラートが表示されるため、普段から意識しなくても適切なメンテナンスのタイミングを把握できます。

デモ機をご用意しておりますので、お気軽に当社までお問合せ下さい。
お問合せはこちらから


  • 仕様
  • 特長
  • 自動測定の設定方法
  • 測定結果の解析法
  • 酸素還元反応(ORR)測定例
  • アクセサリー
商品コードをクリックするとWEB見積計算書に自動入力できます(一部商品除く)
商品コード 品名
013725 RRDE-3A 回転リングディスク電極装置 Ver.3.0
仕様
回転数範囲 100 〜 8,000 rpm
設定回転/表示分解能 10 rpm(1 rpmに変更可能)
表示方式 4桁LCD
回転精度 < 1%(100 〜 1,000 rpm)
< 0.5%(1,001 rpm 〜)
回転制御方式 PWM方式
電源 12 VDC(ACアダプター)
大きさ(W×D×H) 190×230(筐体部分120 mm)×400 mm
重さ 3.5 kg
使用温度 10 〜 50°C
付属品
アルカリ用サンプルバイアル(100 mL)
012064 RRDE-3用スピンコートアダプター
012065 パージ用ニップル(PP製)
013392 タイゴンチューブ OD1/4, ID1/8
013271 RRDE-3Aテフロンキャップ V.2
012642 RRDE-3A シリコンシート 100x180mm (1枚)
012975 RRDE-3A ベアリングアッセンブリー用Oリング(3個)
RRDE-3A シャフト用Oリング白
電源ケーブル
取扱説明書
オプション(別売)
012167 RE-1B 水系参照電極(Ag/AgCl)
013848 RE-7N 非水溶媒系参照電極
013597 RHEK 簡易型可逆水素電極キット
012961 Ptカウンター電極 23cm
012632 サンプルバイアル(100 mL)
013580 アルカリ用サンプルバイアル(100mL) 10本入
013581 アルカリ用サンプルバイアル(200mL) 8本入
013582 RRDE-3A テフロンキャップ(200mL用)
012652 ウォータージャケット型ガラスセル
012641 RRDE-3A ベアリングアッセンブリー用Oリング(10個)
013645 RRDE-3A シャフト用Oリング白(3個)
013343 RRDE-3A テフロンキャップV.2用Oリング
014050 RRDE-3A/CS-3A ガスパージチューブ補修キット
008133 CB-BS BASアクセサリーケーブル
013847 CB-ES リモートケーブル(25pin)
  • 駆動部分とコントローラーが一体化したコンパクトなデザイン
  • 回転ディスク電極装置(RDE)、回転リングディスク電極装置(RRDE)として使用できる
  • リングディスク電極のディスク電極の着脱が可能(新商品:DRE使用時)
  • 前面パネルからマニュアルによる速度制御が可能
  • 回転速度範囲は100〜8,000 rpm (DRE使用時は、2,000〜3,000 rpm 以下を推奨)
  • 酸素モニターを行いながら測定が可能
  • LCDディスプレイによる回転数とパージ時間の表示
  • LCDディスプレイによる「機種名」「筐体バージョン」「モーターの累積回転時間」表示
  • LCDディスプレイによる「清掃」「交換」のアラート表示機能付き
  • ガスパージ機能付き
  • パージバルブのON/OFFタイマー制御 (9999秒まで設定可能)
  • 作用電極の交換が簡単、電極の種類も豊富
  • シャフトとモーターはカップリングにて完全に絶縁状態になっているため、ノイズがカットされます
  • シャフトは内筒と外筒から構成されていますが、テフロンスペーサーにより完全な絶縁状態を実現し、ノイズカットされています

Ver3.0での改良点

1. 外観・構造の変更

  • メインフレーム構造を改良し、本体重量を6 kgから3.5 kgに軽量化しました。
  • 電源スイッチの位置を、背面から前面(LCDディスプレイの横)に変更しました。これにより、電源スイッチの操作がより簡単になりました。
  • 筐体内部に搭載していたスイッチング電源の代わりに、ACアダプターを使用する形式に変更しました。これにより、電気的安全性が向上しています。
  • LCDディスプレイの色が緑から青に、文字色が黒から白に変わり、更に見やすくなりました。
  • 背面にあったクリアスイッチが無くなり、代わりに後述のメンテナンスモードが搭載されました。

2. 共振ノイズ音の緩和

RRDE-3A Ver.3.0ではマザーボードの回路設計を改良し、特定の回転速度におけるPWM(パルス幅変調)信号の制御時に共振ノイズ音が発生する欠点を克服しました。

3. メンテナンスモードの追加

RRDE-3A Ver.3.0に新たに搭載されたメンテナンスモードは、操作の利便性向上、リモート速度制御の精度確認、及び機器の定期メンテナンス等のサポートを目的としています。お客様が機器の摩耗具合を把握し、最良の動作状態を維持するために定期的な清掃およびメンテナンスを行う際に役立ちます。

メンテナンスモードでは、以下の設定を行う事ができます。

  1. 電極回転速度の設定単位の変更 (1 rpm ⇔ 10 rpm)
  2. 総回転時間と、次のアラート表示までの時間の表示
  3. アラート表示のクリア
  4. リモート端子への入力電圧及び電極回転速度のリアルタイム表示

電気化学測定装置 ALSモデル700シリーズのソフトでは、所定の回転数での自動測定が可能です。例えば、リニアースイープボルタンメトリー(LSV)測定を使って、IR-Freeでの回転電極測定を行う際のコマンドは下記のとおりです。

IR補償抵抗を入力し、IR-Free状態での400、900、1600、2500回転でのLSV測定のコマンドです。触媒評価において、IR補正を行うことで、より信頼性の高いデータを取得できます。(#を用いると、コマンド中にコメントを入れる事が可能です。)

==========================================
#データファイルの保管場所
folder:C:\data\RDE

#テクニック
tech: lsv

#IR補償有効と補償抵抗値
ircompon
mir=13

#LSVの実験条件と回転数の設定
ei=0.6
ef=0
v=0.02
si=0.005
qt=5
sens=1e-4
fileoverride #ファイルの上書き可
rdeon
rpm=400
cellon
run
save=400 rpm

rpm=900
sens=1e-3
run
save=900 rpm

rpm=1600
run
save=1600 rpm

rpm=2500
rdebetweenrunoff  #回転停止コマンド
run
save=2500 rpm
celloff

end
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Levichプロットは、回転ディスク電極(RDE)法を用いた触媒評価において非常によく用いられ、触媒の電気化学的な特性、特に反応速度や反応機構を解析することができます。
下図は、基礎的な回転ディスク電極を回転速度(400, 900, 1600, 2500 rpm)の順に回転速度を変化させた際のフェリシアン化カリウム溶液のLSV曲線です。約0.2 Vよりマイナス電位で還元反応による定常な拡散限界電流(iL)が測定されていることが分かります。

触媒
各回転数での対流ボルタンメトリー

拡散限界電流(iL)は、下記の Levich式 により電極回転速度の平方根(ω1/2) に比例します。

iL = 0.62 n F A D2/3 ω1/2 ν−1/6 C*


触媒
測定データの解析画面

ALS電気化学アナライザーでは、溶液濃度や電極面積などの既知のパラメーターを入力すると、求めたい物性値を自動で計算することが可能です。

触媒
Levichプロット

各回転速度での拡散限界電流をω1/2に対してプロットすると、原点を通る直線のグラフ(Levichプロット)が得られます。このように回転電極法の原理を用いると、触媒の活性、反応機構、物質移動の影響など、総合的に理解することが可能となります。また、異なる条件で取得したLSV曲線を比較・解析することで、高性能な触媒の開発や反応プロセスの最適化にも貢献します。


酸素還元電流と溶存酸素のモニタリング

回転電極装置を用いた、燃料電池の酸素還元触媒の酸素還元電流のモニタリング時の溶存酸素濃度のモニタリング用としての使用例です。

燃料電池 酸素還元電流の測定への応用例。


アクセサリー

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電極
商品コード 品名 長さ(mm) 外径(mm) 電極部
(mm)
RRDE
012613 RRDE 白金リング-GCディスク電極 25 12 R:7.0/5.0
D:4.0
012614 RRDE 白金リング-白金ディスク電極 25 12 R:7.0/5.0
D:4.0
012615 RRDE 白金リング-金ディスク電極 25 12 R:7.0/5.0
D:4.0
012616 RRDE 金リング-GCディスク電極 25 12 R:7.0/5.0
D:4.0
012617 RRDE 金リング-白金ディスク電極 25 12 R:7.0/5.0
D:4.0
012653 RRDE 金リング-金ディスク電極 25 12 R:7.0/5.0
D:4.0
R:リング部
D:ディスク部
RDE
011169 RDE GCEガラス状カーボンディスク電極 25 12 3.0
011170 RDE PTE白金ディスク電極 25 12 3.0
011171 RDE AUE金ディスク電極 25 12 3.0
011966 RDE ALEアルミニウムディスク電極 25 12 3.0
011967 RDE AGE銀ディスク電極 25 12 3.0
011968 RDE CUE銅ディスク電極 25 12 3.0
011969 RDE NIEニッケルディスク電極 25 12 3.0
011970 RDE TAEタンタルディスク電極 25 12 3.0
011971 RDE TIEチタンディスク電極 25 12 3.0
011972 RDE WEタングステンディスク電極 25 12 3.0
011973 RDE CPEカーボンペーストディスク電極 28 12 3.0
≪RRDE・RDE電極の詳細はこちら≫
DRE(RRDE用ディスク交換式電極)
013336 DRE-PGK ディスク交換式電極Pt/GCキット 26 12 R:7.0/5.0
D:4.0
013608 DRE-DCP ディスク電極交換研磨ツール - - -
≪DRE電極の詳細はこちら≫
その他電極
012167 RE-1B 水系参照電極(Ag/AgCl) 70 6
013848 RE-7N 非水溶媒系参照電極 70 6
012961 Ptカウンター電極 23 cm 230 0.5
セル関連
012632 サンプルバイアル(100 mL)
013580 アルカリ用サンプルバイアル(100mL) 10本入
013581 アルカリ用サンプルバイアル(200mL) 8本入
013582 RRDE-3A テフロンキャップ(200mL用)
012652 ウォータージャケット型ガラスセル

※ 上記以外の材質・サイズでも電極作製を承っております。詳細については弊社営業までお問い合わせ下さい。




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